必要なときに必要な・・・の必要とは

著者: エイム研究所 矢野 弘

トヨタ生産方式にて「必要な時に必要な物を必要なだけつくる」とある。注目されるのは時,物,量の部分が強調されるが、三つにくっついている「必要」とは一体なんであろうか?・・・

 この「必要」という状態が人によって異なるため改善活動をするときに意見ややり方が食い違ってくる。必要な状態を列挙するのでみなさんと話し合ってほしい。その後、いままで改善したことや、これから改善に取り組む時に一段高いレベルで実践してほしい。

 

必要とは切羽詰まった状態でないと必要ではない
 必要とは答えや手段、物がこれ一つしか無い状態である
 必要とは発明の母である(ない時に別の知恵を働かすチャンスでもある)
 必要とは待ち伏せされたかのようにしむかれた心境である
 必要とは不安の心境が同時に発生する。不安の大きさが「必」の大きさである。
 必要とは「今」の大切さを感じさせる。感じなければただの「要」である
 必要とは無くなると「要」から感じ始めるようになる。不安が大きくなると「必」がつく

 

必要とは他にもあると「要」は感じるが「必」は感じなくなる
 必要とは後工程が思うものであって前工程が思うものでない
 必要とは今でなくてもよければ「要」は感じるが「必」は感じない
 必要は押し売り(押し込み生産)には感じない
 必要は行列で後ろに並んで待っている人ほど大きくなる
 必要は時事刻々と変化する
 必要が解消されても、また直ぐに必要な状態が起きればそれが必要であった証明になる
 必要かどうかは実際に困らないとわからない

 

その在庫は「要」なのか「必要」なのか
 その設備と能力は「要」なのか「必要」なのか
 その人数は「要」なのか「必要」なのか
 その納期は「要」なのか「必要」なのか
 その指示数は「要」なのか「必要」なのか
 そのスペースは「要」なのか「必要」なのか
 必要といっている人が本当に必要者なのか

 

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